中学校1年生に薦めたい本100冊vol.10 1月

「理科読」のススメ~サイエンスリーディングに挑戦!

理科読(りかどく)を知っていますか?
理科読とは、その名の通り
「科学の本を読もう!」なのです。
多感な子どもたちに
新たな知的好奇心を与え、
能動的に本を読む習慣を
身につけることのできる機会を
創り出すのがねらいだそうです。

子どもたちが
学校図書館で本を眺めたとき、
科学に関する本が
一番取っつきにくいのではないかと
思われます。
ページをめくってすぐ
「面白い!」とは思わないでしょう。
内容の難しい本が多いのです。
私がいつも薦めている
岩波ジュニア新書でさえ、
自然科学は難解であり、
本のコンシェルジェを
必要とする分野なのです。

そこで、これまで紹介した中から、
中学校1年生でも読みこなせる
9冊を選んでみました。

その1:
「理系アナ桝太一の生物部な毎日」
 桝太一

自分の周りを見渡せば、
そこには生き物たちの
魅力溢れる世界があるんだよ、
ということが実によく理解できます。
桝アナの生き方にも教えられる一冊。

その2:
「カラー版 海と親しもう」伊東勝敏

家に居ながらにして
海気分を満喫できる一冊です。
海の楽しさや危険、遊び方、
自然観察の方法、
多様な生き物の生態などなど、
ふんだんな写真とともに
わかりやすく説明されています。

その3:
「生きもの地図をつくろう」浜口哲一

身近な自然環境調査を取り上げながら、
自然科学の探究の方法について
やさしく解説してあります。
しかもその内容は、
子ども向けの科学入門書というレベルに
とどまっていません。

その4:
「ご近所のムシがおもしろい!」
 谷本雄治

筆者は自宅周辺にある
田畑、池や川、雑木林等を丹念に観察し、
そこに生息している
ムシの生態を調べています。
その記録が好奇心いっぱいの
子どもの目線で
いきいきと描かれています。

その5:
「ミジンコはすごい!」花里孝幸

ミジンコ入門、にとどまらず、
「こういう視点でこのように調べると、
こんなことがわかるよね」という、
科学的探究のしかたについて
わかりやすく述べられています。

その6:
「新版 環境とつきあう50話」
 森住明弘

これまで環境保護に関する本は、
理科(自然科学)の視点から
編まれたものがほとんどでした。
本書は社会(社会科学)からの
視点も含めた、
現実をしっかりととらえた
内容となっています。

その7:
「新版 ごみから地球を考える」
 八太昭道

人が生きるということは
「ゴミ」を出すということと同質。
その上で、ゴミを資源化し、
循環型社会を形成することにより、
ゴミ0(ゼロ)社会を
実現することを説きます。

その8:
「新版 原発を考える50話」西尾漠

読み通すのはなかなか難しいのですが、
原発やエネルギーの問題を、
自分の心と頭で受け止め、
自分でしっかり考えていくために
ぜひ挑戦して欲しい一冊です。

その9:
「地球は火山がつくった」鎌田浩毅

本書は火山活動の原理について、
ウェゲナー以来の
プレートテクトニクス、
そして近年提唱された
プルームテクトニクスの理論を、
中高生でもわかるように
平易に解説しながら、
巨視的な視点で説明したものです。

中学校1年生のみなさん、
ぜひ理科読に取り組んでみて下さい。
きっと新しい世界が広がります。
そしてお父さんお母さん、
お子さんにこうした本を
与えてあげて欲しいのです。
ゲームソフト1本買い与える
お金があれば、
こうした本は4~5冊買えるはずです。
本と読書経験は一生の財産です。
よろしくお願いします。

(2020.4.30)

Gerd AltmannによるPixabayからの画像

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